Episode#00 [じゃんけん必勝法〜序章〜]

じゃんけん」は、古来より行われている“拳”と“偶然”のチカラを利用して勝敗を決める簡単なゲームである。
そして、脳内ランダム注1)によって勝敗が決定する「じゃんけん」には 「必勝法」と呼べるような勝ち方はナイとされている。

つまり、ふたりじゃんけんを複数回勝負した場合の、 それぞれの勝率は、「2分の1」に収束してゆく……とされているのだ。

「じゃんけん」が、本当の意味でランダムによって勝敗が決まるのならば、 長い人生の中で「必ずグー」を出し続けた場合の ふたりじゃんけんの通算勝率は「2分の1」に収束してゆくハズである。

だがしかし、現実世界において、そんなことが起こりうるのだろうか?

じゃんけんは、仲間内ですることが多いので、 仲間から仲間へと情報が流れ、「必ずグーを出す男」の、 人生通算勝率は「必負」と呼べる域にまで落ち込むことが予想される。

…そう、じゃんけんは実は「ランダムによって結果が確定するゲーム」ではないのである。
人間の脳ミソは、数学的な意味での「ランダム」を生成することはできないのだ。
そこにはクセがあり、心理の流れがあり、外部からの情報の影響を受ける…
人間の脳ミソとは、およそ乱数とはほど遠いものなのである。

必ずグーを出す男」が「必負」に陥るのは、
彼が必ず負ける方法(=グーしか出さない)を選択しているからである。
そして「必負の方法」のありえる世界には、「必勝の方法」が必ず存在する。

確率を意識し、心理を読み、相手のココロを誘導する…
そんな「じゃんけんの勝ち方」をあくなき執念で追い求めていけば、
あるいは「必勝」と呼べる域にまで、近づくことができるかもしれない…。

本文は、そんな『じゃんけん必勝法』への道のりを、 まずは「勝つ確率をあげる方法」から順を追って、紹介してゆくものである。

注1…「ランダム」について

「ランダム」とは法則性を導き出せない、無作為の結果を表す言葉である。
コンピューターで生成されるランダム数列は「疑似乱数」と呼ばれ、 初期値にシステム起動時のコンマ単位の秒数などを用いた複雑な数式から 生成されることが多い。よって「疑似」であり、構造的には法則性をもっている。
また、サイコロやルーレットを用いた物理的なランダムも、 振る強さ、角度、空気圧などが一定であれば理論上同じ目が出るハズであり、 実存するカジノのディーラーは、これを高い確率で操作するコトが可能である。
「本物のランダム」とは、現実世界において、かくも得難き存在なのである。

▲ページ先頭へ

じゃんけん必勝法の心得と注意

  • 本来、じゃんけんとは、なにかしらを賭けて行うものである。
    (掃除当番などの軽微な罰ゲームや、スポーツのフィールド選択など…)
    まったく無意味に勝敗をつけるじゃんけんは、 クマさんチームと、ウサギさんチームを分けるようなものであり、 本文で触れている「じゃんけん必勝法」とは無縁の存在である。
  • 後出し注2)」、「筋読み注3)」「グーチョキパー注4)」に代表されるような、 じゃんけんのルール自体を崩壊させる裏ワザに関しては扱っていない。
    正々堂々と「じゃんけんのルール」にのっとって戦うべし。
  • 本文は「関東じゃんけん」(チョキがVサイン)を基準として記述してある。
  • 本文は「ふたりじゃんけん」を前提として記述してある。
    複数人数のじゃんけんに関しては、内容が煩雑になるため触れていない。
    複数じゃんけんの場合でも、複数人の中から、手の傾向のクセが強い人物や心理的傾向を把握している人物を抽出し、その人物に対して戦術を用いれば、ふたりじゃんけんからの応用が可能である。
  • 本文で紹介する必勝法を意識してじゃんけんに望んでも、数学的見地からは、勝率の期待値が2分の1以下にはならない。
    つまり、損はナイので、安心して必勝法を用いるべし。

※注2…「後出し」について

じゃんけんの「手」を出す瞬間に、ゆるい握り拳のカタチで出して、 相手の手を瞬時に確認してから、それに勝利する手に拳を変化させる行為である。
現実的にはかなりの反射神経が要求され、不正行為を見抜かれずに行うことは難しい。

※注3…「筋読み」について

相手の利き手の筋肉の動きに注目し、拳の変化を事前に察知しようとする行為。
練習を積めばある程度の精度は得られるが、対策されると効果が激減する。

※注4…「グーチョキパー」について

親指、人差し指、中指を伸ばした状態で拳をつくり、 「グー、チョキ、パー」の三要素を含んでいるから、必ず勝てるとする「手」の一種。
本来のじゃんけんルールから逸脱した行為なので、やり直しを要求できる。
また、三要素を含んでいるのなら、相手の手に対して、 「1勝、1分、1敗」になるのであって、勝ちに当たらないとの解釈も可能である。

▲ページ先頭へ